地域による白蝶真珠の違い
大ぶりで華やかな真珠を生み出す白蝶貝は、貝殻自体の真珠層も美しく、工芸品や装飾品として、古くから珍重されてきました。
棲息地域は、オーストラリア近海とインドネシア、フィリピン近海の狭い地域に限定されています。
真珠養殖に使用される白蝶貝には、真珠層縁が銀白色で「シルバーリップ」と呼ばれるものがあり、この違いが養殖される真珠の色に大きく影響します。
オーストラリアではホワイト系の真珠が多く、インドネシア・フィリピンではゴールドリップが主流のためクリームやイエロー、ゴールデンなど黄色系の真珠が多く採取されます。
養殖期間は地域によって多少異なり、オーストラリアで24か月間、インドネシア・フィリピンで18~24か月間。
真珠を採りだすために海水から上げる時期は、オーストラリアでは南半球の冬にあたる6~8月に行われますが、フィリピンでは特に決まっておらず、随時行われます。
黒蝶真珠同様に、一度真珠を採りだしてから、再び真珠を入れて大珠を作る製法が行われていますが、2回目は真珠の色を決めるピースを挿入しないので、様々な色の真珠が出来上がります。
真っ青な海で健やかに育った白蝶真珠には、眩しい太陽や果無なく広がる大地のような、明るくおおらかな雰囲気があり、身に着ける人を元気にしてくれます。
白蝶真珠の街、ブルーム
オーストラリア西北端の街・ブルームは、赤道に近く、一年中熱い熱帯気候のため、国内で人気を集めるリゾート地です。
この小さな町が、かつて多くの日本人でにぎわっていたことを知る人がどれだけいるでしょうか?
19世紀後半、ブルームは白蝶真珠の養殖で栄え、日本をはじめ中国、マレーシア、中東などから真珠産業に従事する人々が集まり、国際的な街として発展しました。
明治時代になると、真珠とりの技術を伝えるために、日本から多くのパールダイバーが移住しました。
今も町に残る日本人墓地を訪れると、潜水病や第二次世界大戦によって、この地で亡くなった日本人の多さに驚きます。
白蝶真珠にまつわる歴史は、町のいたるところで感じ取ることが出来ます。
中心街には、「リニーズ」「カイリス」といったオーストラリアを代表するパールブランド店をはじめ、大小たくさんのパールジュエリーショップが並んでいます。
ウィンドウには、本場ならではの見事な白蝶真珠のジュエリーがディスプレイされ、その迫力ある美しさを再認識します。
「パール・ラガーズ」では、昔の真珠産業の様子を伝える展示があり、ガイドツアーに申し込むと、シロチョウガイを使った料理を味わうことも可能です。
この海沿いのショッピングエリアは、毎年開かれる「真珠祭り」のメイン会場にもなっています。
美しい白蝶真珠の故郷である、ブルームの青い海。
ゴージャスなジュエリーを彩る真珠が、大自然と人の力で大切にはぐくまれたものであることを体験できるのが、ブルームです。
かつてこの地に情熱をかけた日本人を想いながら、訪れてみたい白蝶真珠の街です。