養殖でも人工でもない、天然真珠とは
天然真珠は貝の体内に自然に侵入した異物を、真珠層で包み込んだものです。
一方、養殖真珠は貝の体内に貝材で作った丸い球を人工的に核として挿入し、真珠層を巻かせて作るものです。
そのため養殖真珠と、核にガラス材やプラスチック等を使い、パール材を塗布する人工真珠は、まったくの別物です。
養殖真珠は、臨海実験所の指導を受けた御木本幸吉(現・株式会社ミキモトの創業者)が、アコヤガイを使って半円真珠を作り出したのが始まりです。
それ以来、真珠は日本の人々に愛されてきました。
今日では、養殖真珠と天然真珠は、特に区別する必要はないほどになりましたが、時にはアラビア湾の変形真珠を天然真珠として呼ぶこともあります。
真珠にはラウンド(真円)、ボタン(半円)など比較的みな様が目にする形のものから、
バロック(異形)、ドロップ(涙型)、サークル(縞状)などもあり、かえって珍重されています。
人工では中々作り出すことのできない、天然だからこその形だからです
今注目の、フェザーパール
養殖真珠全盛の現在。
一般に流通しているパールのほとんどが養殖真珠ですが、天然真珠も産出されています。
しかし、量的にはほんのわずかで、その中から品質の良いものを厳選しているため、なかなか店頭ではお目にかかれないレアなパールです。
近年、その珍しい形と色彩を持つ天然パールに人気が集まっています。
特に注目なのが、鳥の羽のような形をしたフェザー(別名:ウィング)パール。
おもにアメリカ・ミシシッピー河地域で産出される天然淡水真珠で、二枚貝が時にはこんな美しい真珠を生み出すことがあるのかと絶賛された、世界的にも珍しい真珠です。
1800年代半ば、この変わった形をした真珠を採取した村人が、ニューヨークの宝石店に持ち込むと、非常に高額な値段で買い取られたという面白いエピソードが残っています。
以降、川の近郊住民の間でパールラッシュが巻き起こりました。
それがもとで乱獲されてしまい、特に大きいものはほぼ全滅してしまいました。
汚染される環境も加わって、美しさを兼ね備えたものは特に貴重とされています。
人類が出会った初めての宝石
真珠は、人類が出会った最初の宝石だと言われています。
他の宝石と違って、真珠は貝から取り出せば、カットしたり研磨したりする必要はなく、孔さえ開ければ宝飾品として使用できるからです。
初めはきっと、近くの川や海で食用に取った買いの中から偶然に出たのでしょう。
泥だらけでコケなどがこびりついた、お世辞にもキレイとは言えない買いを開けてみて、中から光り輝く珠がでてきたとしたら…
その輝きは想像に難くありません。
やがて文明が生まれ、この不思議な美しい珠を独占したがる富裕層が現れます。
時の権力者たちは、海や川で、真珠を探し求める用意なるのです。
実際に真珠を宝飾品として使うには、珠の大きさや形、色など、同じ品質の物を多くそろえる必要があります。
それに真珠が貝から自然に生まれる確率は、よくても100に1つ、いや実際は1万貝開いても出てこない事さえざらにあったでしょう。
養殖の技術が生まれる何千年も前の事、まさに天然真珠しかない時代でした。
多く手に入れるためには、膨大な数の真珠貝がいる場所を探さなければなりません。
人々は各地に真珠貝生息地を発見し、その地で真珠採取のための組織や集団が作られていき、のちに養殖真珠を成功させることとなるのです。