真珠の加工と処理
真珠の特徴は、いわゆる真珠光沢を具えていることですが、その色調はそれを作る貝の性質や環境によって、いろいろと変化します。
実際には、それを人工的に色調処理をしていきます。
真珠の色は銀白色といってもよいでしょうか。
しかし、その肌は単なる銀白色では言い表せない柔らか味もあります。
真珠の色はアコヤガイの育つ環境や貝の健康状態で違った味を示しますが、淡いピンクの輝きをもつものが最高とされています。
黒真珠も珍しいためお値段が高いですが、黄色味を帯びた真珠は日本ではあまり喜ばれません。
しかし、実際には貝から取り出した真珠は、過酸化水素水などで漂白したり、染め色や調色が行われていてることが多く、適当な色の玉に仕上げられるので、その技術が真珠業者の腕の見せ所ともなっています。
一般的に、ピンクの真珠を好む人が多いですが、色の黒い人種の方は黄色の真珠が肌に合うとして喜ばれています。
真珠が美しいジュエリーになるには、採れた真珠を選別したり、孔を開けたり、汚れを取るために磨いたりする工程を、加工といいます。
一方、真珠の処理とは、真珠が本来持てている美しさを引き出したり、本来持っている美しさを引き出したり、本来の色とは異なる色に変えたりすることです。
具体的には、適当な温度を加える加熱、漂白、着色、放射線照射などがあります。
こういった処理は、すべての真珠に行われるわけではなく、真珠一つひとつの持つ特性に応じた方法が取られます。
職人たちによる真珠の加工工程

その昔、真珠が神戸を訪れる外国人中心に販売されていたことから、今も神戸に真珠の卸や加工の会社が多くあります。
真珠の加工には安定した光が必要ですが、六甲山の緑が年間を通して安定した光を供給するため、神戸はその条件に最適な場所でした。
浜揚げされた真珠をジュエリーに仕立てるには、色や形を選別加工する必要があります。
経験を積んだ専門の職人によって、色、形、巻き、光沢などが慎重に見極められ、等級ごとに細かく分類されます。
そういった選別作業は、できるだけ同じ光源の元で行われます。
一般的には、安定した自然光が差し込む北側の窓辺が最も適していると言われています。
加工の中でも重要な選別は、蛍光灯をつけない自然光の下、光が安定して見える北側の窓辺で8:15~16:30、夏は17:30まで行われます。
非常に神経を使う仕事なので、選別は非常に神経を使う仕事のため、職人は一定の休憩を取り、目を休めながら作業を続けます。
これは、長い経験によって培われる、機会には決して代わることのできない作業です。
熟練の職人を育成することも、真珠メーカーにとっては大切な責務なのです。
選別が終わると、アイテムに応じて”孔開け”が行われます。
ネックレスにするものはキズの位置を確かめながら、両端からそれぞれ孔をあけていき中心で貫通させます。
針の太さもサイズで替わってきます。
孔あけ工程は一度孔を開けると元に戻せず失敗が許されない、技術力が求められる作業です。
水洗浄が終わった真珠は、職人の手によって1つ1つ選別されます。
キズが両端にある物はネックレス用、1点に集中しているものは指輪やブローチ用などへと、場所によって振り分けられていきます。
さらに各メーカー独自の基準によって、巻きや光沢の等級分けがされます。
ネックレスの場合は、まず蓮台と呼ばれる専用の台を用いて真珠の連組がなされ、”連相”といわれる見た目の印象が整えられます。
それはサイズだけでなく、色調や照りに至るまで、微差にこだわる緻密な作業です。
連組みは加工の最終工程なので、一本一本チェックしながらの作業となります。
1番下の連組をしたものから、右の珠をはじめとして順に糸を通していきます。
連組みから糸通しまでの作業は、1人で1日に20本できるかどうかです。
一人前と言われるまでにはかなりの年数を要します。
仮に糸通しをされた連ネックレスは国内外の卸市場へと。
連組が完了したものは糸通しをした状態で保管されます。
また、真珠を引き立てるデザインには日本古来の繊細な美意識が反映され、独自の様式美を確立しました。
美しく、身に着けていて安心なパールジュエリー。
それは、わが国が世界に誇る文化でもあるのです。
クリエイターによるパールデザイン
まず、商品の企画に基づき、条件に見合うデザイン画のスケッチを、デザイナーが1週間かけて4~5パターン提出します。
会議を経て、ひとつに絞られたスケッチをさらに1週間かけて、より細密なデザイン画に仕上げいきます。
より良い商品を作るためにデザイン画を見ながらデザイナーと製作スタッフが検討を重ね、綿密な打ち合わせを行います。
商品によって製作日数は異なりますが、逸品といわれる1点限りの高級品になると2ヶ月ほどかかる場合もあります。
ジュエリーの土台となる貴金属の細工をする担当スタッフとキャスト、彫刻、石留め、研磨、珠付けなど、各セクションのクラフトマンの手を渡って美しいジュエリーが完成します。
量産の鋳造の元となる原型作りから。
ワックスを使う場合、立体的な形にし、核珠で珠の位置、高低差、テクスチャーなどイメージをデザイン画に近付けます。
ワックスで形ができ上げれば、原型用の地金に鋳込みます。
地金をやすりがけし、全体のバランスを考えながら形を整え、珠芯を立てます。
身に着けたときに美しく見えるよう、ブローチ金具の位置も考慮しながら蝋付けします。
刻印を打刻し、デザイナーと最終チェックして問題がなければ原型の出来上がりです。
原型からゴム型(元型)を作り、これを基に実際の地金(ゴールド、プラチナ、シルバーなど)に鋳込みます。
鋳込みあがった地金を再び細工で綺麗に整え、仕上げ工程で研磨します。
石付きの物は石留工程で石留めしてから、最後に珠付けスタッフの元へ。
真珠の珠付けは北側の太陽光の下で、サイズ、色目、珠の向きなどを意識しながらバランスよくつけます。