古代
・ チグリス・ユーフラテス川が流れ込むペルシャ湾のバーレーン沖で採取される。この地域で採れる真珠は「オリエントパール」と呼ばれ、のちにヨーロッパの王侯貴族の間で愛用される。
・ 中国の禹(う)の国で、他の産物と一緒に淡水産真珠が貢物として納められる。
・ アメリカ先住民の間で淡水真珠が使用される。
・ 「ポセイドンが、愛の女神アフロディテに真珠を贈った」と真珠に関する記述がギリシャ神話に登場。
・ メキシコやインカ文明で、海洋産真珠が装飾として使われ始める。
・ インド洋・スリランカでの真珠採取が始まる。採取時期になると、中国東部から地中海まで、広い地域から人々が真珠採取に訪れた。
・ 現在のアメリカ・尾は伊予州付近で発展したホープウェル文化の中心地に、ミシシッピ川流域で採れた多数の淡水真珠が蓄えられる。
・ ローマ帝国の皇帝ポンペイウスの凱旋行進で、33個の真珠で出来た宝冠、無数の真珠の飾り物、真珠で飾られた神殿などが運ばれる。
・ エジプト女王クレオパトラが、ローマの将軍アントニウスを招いた宴席で、真珠を飲み干したと言われる。
・ 邪馬台国の王が、中国の魏に白珠(真珠)5000個送る。
中世
・ 11世紀末の宋の時代に、カラス貝の貝殻内面に、鉛で作った小さな仏像を挿入する「仏像真珠」が作られる。真珠層に覆われた仏像を、仏具や宝飾品として使用した。
・ 英国島で採れる淡水真珠が、「スコティッシュパール」ちすてヨーロッパに広く知られるようになる。
・ 中国・元時代のフビライ・ハンが、四川省西昌付近の湖で淡水パールを生産し、その生産量を記録、管理する。また、ヨーロッパから中国に真珠が輸入される。
・ ヨーロッパの貴族がこぞって真珠獲得に狂奔したため、ルネサンス時代は「真珠時代」とも呼ばれる。
・ 1948年、コロンブスがベネズエラのマルガリータ島やキューバグア付近の先住民と物々交換で真珠を手に入れ、スペイン女王へ送る。
近世
・ インドを支配したムガール帝国の王(サルタン)たちが、エメラルドをあしらった真珠の2連根クレスを身につけた姿が細密画に描かれる。
・ ロシア正教下のロシアで、主教の法服に真珠が飾られる。そのほとんどがロシア産の淡水真珠で、中には15万粒もつけられたものもあった。
・ 明時代の中国・広東地方の海で、錫製のシュノーケルをくわえたダイバーが真珠を採集していたことが「天工開物」に図解入りで記録される。また、真珠を薬として広く用いていたことも「本草綱目」に記載される。
・ 1735年、清の第6代皇帝乾隆帝が即位したとき、当時のペルシア王から「パール・オブ・アジア」といわれる真珠が贈られる。このパールは、第9代皇帝の后、西太后などにも愛用され、清朝の滅亡とともに姿を消したが、1918年、パリのオークションに突如姿を現した。
・ ベネズエラのマルガリータ島、キューバグア付近の天然真珠が、乱獲により枯渇する。
・ ヨーロッパと米国で増えつつあった中流階級の間で、シードパールを用いたアクセサリーが流行する。
近代
・ ヴィクトリア時代、歪な淡水真珠を使い、多くの宝飾品が作られる。
・ 1850年代中旬、ニュージャージー州の川で採取された淡水真珠が、1500ドルでティファニーに買い取られたことを発端に、ゴールドラッシュならぬ「パールラッシュ」がおこる。
・ 1860年代、ミシシッピ川流域で採取される真珠が、鳥の羽のような形をしていることが多く、「フェザーパール」や「ウイングパール」と呼ばれ、のちにヨーロッパで大変な人気となる。
・ 色の異なる真珠を組み合わせてグラデーションを楽しむパールジュエリーが流行する。
・ 乱獲により、セイロン島マナール湾での真珠採取が幕を閉じる。
・ 1884年、世界最初のクロチョウガイのブリスター真珠が、フランス領ポリネシアで作られる。
・ 1893年、ミキモトの創業者、御木本幸吉がアコヤガイを用いて世界初の養殖ブリスター真珠の開発に成功する。
・ 1907~1908年、見瀬辰平、西川藤吉らによって真円真珠の養殖技術が研究され確立する。
・ 1917年、カルティエのパールネックレスに見せられた大富豪夫人が、ニューヨーク五番街に所有していたビルと交換でネックレスを手に入れる。その時に交換されたビルは、現在のカルティエニューヨーク支店。
・ 1922年、インドネシア・セレベス島に近接するブートン島で白蝶真珠の養殖が始まる。
・ 1924年、藤田昌世が琵琶湖で淡水真珠養殖を開始。琵琶湖が世界の淡水真珠の拠点となる。
・ 1928年~1929年、バーレーン島の天然真珠採取が最盛期を迎える
・ 1950年代、淡水真珠特有の形や繊細な色、柔らかな光沢を活かしたアクセサリーが流行。
現代
・ 1956年、オーストラリアにて日本の企業が白蝶真珠の養殖を始める。
・ 1960年代、不況や乱獲、日本の養殖真珠の出現、石油産業への労働力の移行などで、バーレーン沖での天然真珠採取が幕を閉じる。
・ 1960年代、中国でカラス貝を用いて、不揃いの淡水真珠「ライス・クリスピー」真珠の生産が始まる
・ 1962年、ビルマの白蝶真珠の生産に乗り出す。黒蝶養殖の中心が、沖縄からタヒチへ移る。
・ 1985年、タヒチで一つの貝で2回真珠を採取する技術が開発され、さらに華やかな大珠が作られるようになる
・ 現在、日本をはじめ太平洋に面した30以上の国で海洋産真珠の養殖が行われている。また、中国を中心に、タイ、インドなどでも淡水真珠の養殖が盛んにおこなわれるようになってきている。