世界の養殖真珠の原点と言われる、日本のアコヤ真珠。
他の真珠に比べて真円に近い球体の物が多く、色や照りが特に美しいです。
サイズは直径2~10mm程度までで、一般的には6~8mmのものが主流です。
その他の種類の真珠と比べると大きくはありません。
しかしそれがかえって東洋の女性のほっそりとした首や手元に映えると言われています。
私たちが目にする真珠のほとんどが、アコヤ真珠です。
母貝はアコヤガイ。採取地は主に愛媛、三重、九州(長崎、熊本、佐賀、大分県)。
形はラウンド、セミラウンド、セミバロック、バロックと、異形のものは少ないです。
カラーはホワイト、クリーム、ピンク、イエロー、グレー、グリーン、ブルーなど。うっすらとした様々な上品な色を持ちます。
また、アコヤ真珠は肌を明るく見せてくれる効果があるのはご存じですか
真珠をよく身に着ける人なら、胸元や手元に飾ったとたん、肌がパッと明るくなったような経験はあるでしょう。
やる気のない日も、真珠を飾ると気持ちがきりりと引き締まってきます。
日本に生まれた女性なら、成人式や社会人になるころには、一本は所有するアコヤ真珠のネックレスですが、残念ながらここ10年、アコヤ真珠は生産量が減少しています。
その原因は、感染症や新種のプランクトンによる赤潮などです。
真珠は生き物なので環境の影響を受けやすいのですが、逆に時間と手間をかけて育てていくと、理想的な真珠になります。
理想的とは、真円で巻きが厚く、キズがなく、照りの良い美しい姿を持つものです。
日本のアコヤ真珠
四季のある海で生まれる日本のアコヤ真珠。
近年、海外の海でも養殖されるようになりましたが、国内で産出されるアコヤ真珠は四季のある海を寝床とし、厳しい冬の海を過ごすため、世界のどの海で採れるアコヤ真珠よりもきめ細やかな肌をしているそうです。
海水温の寒暖差の影響で、日本の真珠はキメが整い、美しい照りが出ると言われています。
真珠の養殖は、まず母貝を育て、稚貝をつくり、そして母貝へ育て…
その約2年間、台風や赤潮などから、貝を大切に守っていきます。
真珠の芯となる核を母貝に入れる作業は、春から夏にかけて行われます。
高度な技術を要する”核入れ”は、熟練の職人がひとつひとつ手作業で行っていくのです。
核を入れた母貝はそれを包む真珠袋を形成し、真珠質を分泌します。
そして海中で美しい真珠が形作られていきます。
成長の過程では、貝の掃除も重要な作業です。
貝に付着した藻やフジツボなどを定期的に除去しないと、母貝の体力が奪われ、真珠のクオリティに大きな影響が生じます。
手間を惜しまず育てられた真珠を採取する”浜揚げ”は、極寒の海の中行われます。
海水温が下がると良質のカルシウム結晶が真珠表面を覆い、色や照りが格段に良くなるため、あえて冬の到来を待って、この作業が行われます。
アコヤパールの名産地
アコヤ真珠というと伊勢志摩のイメージが強いですが、実は「日本一真珠の養殖に適した海」といわれる場所があるのです。
それは愛媛県宇和島市の遊子の海。
宇和海に面したリアス式海岸には小さな湾や入り江がたくさんあります。
しかも、海は水深が深く、潮の流れが速いので酸素やえさとなるプランクトンが豊富という理想的な環境でです。
養殖とはいえ真珠は自然の産物。
人の手が及ばない要素が多い宝石だけに、養殖環境の良し悪しは重要です。
遊子では昭和30年代に真珠養殖を始めてから、地域ぐるみで美しい環境づくりに取り組んできました。
きれいな海を守るために、全世帯に粉石けんを配って合成洗剤の使用廃止を進めたり、廃油を回収したり。
そんな人々の努力で育まれた最良の環境と、世界最高と称される養殖技術により生まれたのが遊子さん真珠です。
遊子産真珠の特徴の一つは「巻き」と呼ばれる真珠層の厚さにあります。
通常よりも小さい核を挿入することで母貝の負担を減らし、約2年物長期にわたって育てることで敦巻のアコヤ真珠が出来ます。
一般に「花球」と呼ばれ、上質とされるものよりも1.5~2.5倍も巻きが厚い遊子のアコヤ真珠は、長く使い続けても劣化しにくく、世界的にも最高級の評価を得ています。
しかしなぜ、これほど上質な真珠が「知る人ぞ知る」存在なのでしょうか?
それは、人口約1200人の遊子地区では真珠養殖業者も焼く20件と、生産される真珠の数そのものが少ないからです。
さらに、数少ない中から選りすぐりのものしか「遊子真珠」と認められないため、市場に出回る機会が圧倒的に少なく、消費者の目に留まる機会は限られます。